京都旅行2日目の今日は、宇治~醍醐~伏見といった洛南方面をグルッと回ってきました。
第一の目的地は、世界遺産「宇治平等院鳳凰堂」です。ホテルのある京都駅からは約12kmといったところでしょうか。レンタルしたマウンテンバイク「CANNONDALE F400」に乗って、約1時間のサイクリングでした。東福寺や泉涌寺といった京都駅の近くの洛南には去年も行きましたが、宇治まで足を伸ばすのは初めてです。
朝8時くらいにホテルを出発して、途中のファミレスで朝食をとろうかなと考えていたのですが、京都駅の南側、特に油小路通沿いは全くの工業地帯で、10時前の早朝に開店しているお店がほとんどなく、仕方ないので途中のコンビニでウィダーインゼリーを飲んだきりで、宇治まで向かいました。この京都駅の南北の格差は想像以上で、北部が歴史のある古都といった趣であるのに対して、南部は一転して大きな工場が建ち並ぶ一帯となっています。タイムマシンに乗っていきなり何百年か時代を通り越したような気がしてしまいます。
本当は、宇治に行く前に、坂本龍馬が定宿としていた「寺田屋」に立ち寄ろうと思っていたのですが、油小路通が途中から高速道路と併走しているため周囲の様子がわからず、土地勘もないので諦めてしまいました。そういえば、今は京大の大学院にいる、大学時代に所属していた手品サークルの後輩から教えてもらったところでは、つい最近、「寺田屋」が実は当時の建物ではなく、後世になってから建て替えられたものであるという疑惑が持ち上がっているそうです。そんなことは露知りませんでしたが、その話を知っていたら是が非でも観に行ったのにと残念に思います。
龍馬ファンに衝撃 事件の舞台「寺田屋」に建て替え疑惑 - 速報 ニュース:@nifty
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/jcast-26320/1.htm
30分で工業地帯を抜けて田園の中をさらに30分ほど走ってから、9時くらいに平等院に到着しました。宇治川が水量も多く、流れも早いのにびっくりしました。想像の中の宇治川は、もっと穏やかで、平安貴族がのんびり舟でも浮かべていそうな感じでしたが、本物は急峻です。「溺れるから川では泳がないこと」という注意の看板が冗談ではないことが実感できます。
さて、平等院にはかなり朝早く来たので、まだ修学旅行の中学生もいなくて静かに拝観できるとほくそ笑んでいたら、既に団体さんがお着きで、ゆっくりと写真を撮る暇もありませんでした……。それでも、水面に我が身を映す鳳凰堂の姿は優美で、10円玉の絵柄に使われるだけのことはあることを実感しました。
ちなみに、鳳凰堂の名前の由来である屋根についている鳳凰の像は、現在はレプリカなのだそうです。本物は、鳳凰堂に隣接する美術館に納められていて、もちろん屋根についているよりはよほど間近で観られるので満足です。鳳凰像はかなり写実的で、威厳のある顔つきをしていました。また、鳳凰堂の内面には、臨終の際に阿弥陀如来が極楽へのお迎えに来る場面を描いた「臨終来迎図」が9枚描かれており、その9枚というのが生前のその人の「成績」でお迎えのランクが9段階あるというものなのですが、それがなかなかに興味深かったです。「両親に孝行し、正直に生きた者」というのは、現在の感覚からすると結構上位かなと思いきや、これが「中の下」で、つまり6番目のランクなのです。「上の上」になるには、出家することが最低条件で、その上で経典を諳誦できたりしないといけないそうです……。これでは現代人はとても臨終のお迎えを期待することはできなさそうです。
平等院のあとは、宇治川を渡って対岸にある「宇治神社」と「宇治上神社」を参拝してきました。二つの神社はほとんど併設されていて、それもそのはず、ガイドブックによれば、明治時代までは二つはもともと一つの神社だったのだそうです。「宇治神社」が重要文化財で「宇治上神社」が国宝だそうですが、京都に来ると、あれも国宝、これも重文といった感じで、最初の1日は感嘆しますが、2日目ともなるとすっかり慣れてしまって、むしろ国宝や重文じゃないと観る価値ないとか思ってしまうのが困りものです。宇治上神社に祀られていた大きな岩の上に小石を積み重ねたご神体が何とも霊験ありそうな雰囲気をまとっていました。
二つの神社を参拝した後は、すぐ近くにある「福寿園宇治工房」で一服してきました。玉露を注文したのですが、ここではお茶を淹れるセットを持ってきてくれて、自分で淹れて飲むことができます。最初の一杯は茶葉がお湯を吸うので本当に数滴しか出てこなくて、しかしそれが濃厚な玉露のエキス「甘露」で、何とも言えない芳醇な香りでした。二杯目、三杯目と続くにつれて薄まっていくわけですが、それはそれで味の変化が楽しめて良かったです。そして、最後は、めんつゆのようなものに茶葉をつけて、おひたしのようにして食べてしまうのですが、これが実にさっぱりして美味でした。旅行から帰ったら自宅でも試してみようかと思いますが、安い茶葉では美味しくないかもしれませんね……。
福寿園宇治工房(京都府)のお店情報・地図 - スイーツ部:@nifty
http://sweets.nifty.com/cs/kuchikomi/sweets_spot/listmap/aid_080928982558/img_1/1.htm
一服した後、近くの「源氏物語ミュージアム」に立ち寄りました。今年は、源氏物語が成立してからちょうど1000年という記念すべき年なのだそうです。それに合わせてリニューアルしたというミュージアムは、華麗な平安の世の物語の情景を上手く表現できていたと思います。実は、源氏物語はきちんと読んだことがなくて、大学受験のときに受験対策で『あさきゆめみし』を一読したくらいの知識しかありません。いつか現代語訳を通読してみたいものです。
その後は、醍醐方面に向かって、奈良街道を北上します。途中で「萬福寺」という中国風のお寺に参拝しました。禅宗のお寺だそうで、山門にはちゃんと「不許葷酒入山門」(葷酒、山門より入るを許さず)という禅宗の掟が彫り込まれた石柱が建っています。まあ、五戒のうち不飲酒戒といっても、実際には般若湯とか言ってお酒は飲んでいたそうですから、ネギとかニンニクとかも食べていたんじゃないかと思うんですが、実際にはどうなんですかね……。さて、萬福寺のご本尊は布袋様です。布袋は元々は中国の実在の僧だということですから、なるほど中国風のお寺だなと実感します。廊下に吊られていた魚の形をした木製の像がユーモラスでした。
萬福寺の後は、ガイドブックで紹介されていた「橘」というおそば屋さんで昼食をとりました。おろしそばを注文したら、さすがに味は良いのですが、ものすごいボリュームで、全部食べきれないかと思いました。昨日の夕食で食べたおろしそばに引き続き、ここのおろし大根もかなりの辛さです。この辛い大根は、やはり京野菜なんですかねえ。
昼食のあとは、世界遺産「醍醐寺」に向かいます。例のごとく修学旅行の学生さんが沢山います。本堂の内部や隣接する「三宝院」の内部は写真撮影禁止なのですが、三宝院の庭園は素晴らしかったです。絵画と違って、庭園なんていくら写真に撮っても減るもんじゃなしと思わず文句を言いたくなるくらい、ただ肉眼で観てくるだけではもったいない庭園でした。醍醐寺と言えば、豊臣秀吉の花見で有名ですが、やはり京都は桜の季節に訪れてみたいものですね。ものすごく混んでいそうですが……。
醍醐寺の後は、小野小町の邸宅跡だという「随心院」へと向かいます。ここは参拝客もほとんどおらず、落ち着いて静かな庭園を鑑賞することができました。廊下に日除けとして吊ってあった簾がつきづきしかったです。ちなみに、ここ随心院では、毎年、「ミス小野小町コンテスト」というのを開いているそうです。当時の美的基準で審査するのなら面白そうなのですが(笑)。
随心院の後は、「伏見稲荷大社」に行きました。この神社は「千本鳥居」の名の通り、とにかく沢山の鳥居があることで有名で、僕も写真や映像では何度か目にしているのですが、やはり実物をみると、この鳥居の密度に圧倒されます。夢幻的で、鳥居の間から白狐がひょいと出てきてもおかしくない神秘性に満ちています。妖怪話とかが好きな僕には全く堪らない風情です。僕が立ち寄ったのは15時過ぎでしたが、もう少し後の夕暮れに訪れたら、さらに物の怪的な雰囲気が強くなるんだろうと思います。黄昏時には「誰そ彼」の語源の通り、千本鳥居の向こうから歩いてくる人が本当に人間なのだろうかと疑わしくなったりして……。

以上で京都旅行2日目の観光は終了です。最後に、最初のほうで触れた京大の大学院に行っている手品サークルの後輩と飲んできました。ちょうど京都駅の近くに水曜日限定で飲み物が半額になるおばんざい屋があるので、そこで京の地酒を堪能しました。純米吟醸生原酒とかいう普段は飲めないような貴重な地酒がぐい飲みで600円で飲めるので幸せでした。近況から京都の歴史の話題から、久しぶりに会って話ができて楽しかったです。その後、店を変えて、京都タワーの中にあるバーに行きましたが、ここはムードがありすぎて、男2人で行くような感じのお店ではなかったです(笑)。京都タワーの写真で青くなっている部分がそのバーです。
ただ、ちょっと飲み過ぎてしまって、その後輩は帰りに転んで骨折と歯を折る大怪我をしてしまったそうです……。翌日に電話したときの声はそこまで酷くはなさそうでしたが、来週に学会発表があると言っていたのに、かなり心配です。怪我の原因の一端が、奢りだと言って飲ませすぎた自分にもあると思うと、申し訳ない気がしてなりません。これからは少しお酒は控えることにします……。
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